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野中 信之
1990 International Fast Reactor Safety Meeting, ,
本報告は、CABRI-I炉内試験データの冷却材沸騰及びボイドチャンネル中の燃料移動挙動に対する日独仏英の共同評価に関するものであり、本評価の内容はPNCとKfKが中心となってまとめたものである。得られた知見は以下の通り。1)冷却材沸騰時スーパーヒートは3K以下、ボイドの拡大挙動は燃料ピン出力に支配され、SAS等コードの物理モデルにより、ドライアウト、被覆材溶融に至る一連の現象を適切に評価し得る。2)照射燃料のプレナム放出は被覆材ドライアウト後開始され、この放出に伴うボイド拡大挙動への外乱は小さく、またこのガス圧による燃料ペレットの加速は緩慢である。3)ボイド化チャンネル中の燃料移動に関しては、加熱速度と投入エネルギー量が高い条件で早期の分散と、ブランケット部への流出が促進されると共に、スティール蒸気、FPガス、Na蒸気圧が駆動源としての寄与が重要である。今後の課題は、高燃焼度燃料に於け
野中 信之
1990 International Fast Reactor Safety Meeting, ,
本報告は、日仏独英の国際共同炉内試験計画CABRI-2の計画概要目的及び実施済試験データの評価結果を内容としており、試験結果の評価についてはPNCが実施した内容を中心にまとめたものである。主な結論は以下の通り1)中空燃料における高加速熱速度条件下(10kJ/g・s)での破損及び破損後挙動はCABRI-1における中実燃料の挙動と本質的に大きな違いはなく、従来知見が適用可。2)中実高燃焼度燃料(12a/o)の過出力型試験により、PCMI負荷により、大きな被覆材歪(約1%)が生じるものの、被覆材の高い延性保持により、破損に至らず、高い耐性を有する。3)10a/o以上の高燃焼度条件においても軸方向燃料膨張は有効に付く。4)破損後の燃料分散については、冷却条件に従うチャンネル温度の影響が重要であり、LOFによるボイド化が進行した条件では燃料分散が助長される。
野中 信之
1990 International Fast Reactor Safety Meeting, ,
本報告はCABRI-Iに炉内試験データの冷却材未沸騰及び部分沸騰条件下での破損後挙動に関する日仏独英の共同詳細結果をまとめたものである。試験データの分析及び解析評価に基づき以下の知見が得られた。1)破損後の燃料放出に伴う冷却材過渡応答は、数ms間の圧力スパイクを伴う、急唆な流量加速と、その後の2相圧力発達を伴う2030msの緩やかな変動温程から成る。2)燃料-冷却材間の熱伝達はボイドの発達に伴って急速に低下し、この熱伝達過程による機械的仕事への変換効率は反応直後の最大値でも1%以下である。3)燃料移動は、破損後の冷却材流動変動に伴う3050ms内に主に上(後流)方向に分散型の運動が達成される。この時間での動的な燃料挙動はSAS、PAPASコード等の物理モデルにより妥当な評価が成される。又、今後は表時間の燃料移動に対するモデルの詳細化が課題である。